Main2-14:再確認する感情
ふと思い立ってヴィエラの男に幻想したガウラ。
その容姿はヴァルには少々刺激が強かったようで、幻想してから数日経った今でもヴァルはなかなかガウラに目を向けようとしない。
時々目が合うが、ヴァルはすぐに顔を赤くしそっぽを向く。
ガウラは彼女のその行動を見る度にこう言った。
「可愛いねぇ」
と。
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今まで以上にドキドキするこの気持ちと恥ずかしさで、今日もヴァルはなかなか顔を向けられなかった。
「ヴァル」
「何だ?」
「そろそろ慣れてくれてもいいと思うんだが?」
「……」
ティーカップを置いてそう言いながら見つめるガウラ。
ヴァルは誤魔化すかのように本を読んでいる。
するとガウラは立ち上がりヴァルの傍に寄った。
「いつまでもそうしていたって構わないけど…」
「………」
「いい加減可愛いその顔と目を見て話したいかな?」
「ひゃっ!?」
耳元で囁くように話すガウラにびっくりするヴァル。
顔がどんどん熱くなっていくのが分かる。
「やっぱり可愛いなぁ」
「またそう言う…」
「私は思ったことを言ってるだけだよ」
「あたいは別に可愛くない」
「そうかい?」
そう言いながらヴァルが読んでいた本を取り上げるガウラ。
その行動に釣られた拍子にガウラを見たヴァルは、いつもなら想像できないような表情だった。
「なぁ、ヴァル」
「な、何だ…?」
再び目線を逸らそうとしたので、ガウラは空いている手でヴァルの顔に手を添え顔を近づけた。
「好きだ」
「…っ〜〜〜!!?」
唐突の告白にショートするヴァル。
そんな彼女の様子を見たガウラは満足そうにニヤリと微笑んだのだった。
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「遊びすぎだ」
「いやぁ、ヴァルの様子が可愛くてつい」
後日、そう言ってきたのはヘリオだった。
珍しく髪型を変えているのを見て、ガウラは興味を示す。
「…ヴァルへの感情が強いのはいいが、あまり遊びすぎると何が起きるか分からんぞ」
「それもそうかぁ…でもーー」
そう言いながら目を細め口角が上がるガウラ。
「こんなにも愛おしいと思えたのは初めてだよ」
そういう彼に小さくため息をつくヘリオ。
「……それにしても幻想薬か」
「あぁ、ヘリオも貰ったんだろう?」
「そうだ。
どうしようかと思っていたが…俺も使ってみるか」
「へぇ、珍しい。
アリスを驚かせるかい?」
「あんたじゃあるまいし…それにあいつの反応はだいたい想像できる」
「それもそうか」
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後日、ヘリオも幻想薬を使いヴィエラになったのを聞いたアリスは、目を輝かせどこからか貰ったというカメラを使いヘリオの様子を沢山撮ったという。
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