2025.04.04 00:30Extra27:思い出さなくていいエーテル研究所。ガウラはそこに居た。不滅隊からの依頼である。『エーテル研究所で妙な動きが見られている。潜入調査を依頼したい』とのことだった。こういう仕事はヴァルに任せられそうだったのだが、生憎彼女は別の任務で不在だったため、ガウラに依頼が来たのだ。ちなみにこの内容、どうやら大事になっているらしく、黒渦団や双蛇党にも依頼が出されている最中そ...
2025.03.28 12:45Extra26:風邪ガウラの自宅。ヴァルはいつものように早めに起き、朝食の準備をしていた。今日はガウラもヴァルも珍しく予定がない日。1日ゆっくりできるだろう、何をしようかと考えながら、ヴァルは手際よく準備を進めていた。……ガタンッ!急に2階の方から何かが倒れた音がした。ガウラが起きたのだろうか?それにしては大きな音だと思ったヴァルは、付けていた火を止め2階に...
2025.03.26 04:30Extra25:切に願うガウラは不滅隊兵舎に居るであろうヴァルの元へ向かいながら、考えていた。先程のヘリオの取り乱し様、あれ程感情を露わにしたところを見たのは初めてだ。それも本体であるガウラの心を掻き乱すほどの感情など、感じたこともなかった。元々1つだったガウラとヘリオは、何かと互いに共感されやすい。それは痛みであったり感情であったりと様々だ。「ガウラ?」「あ、...
2025.03.26 00:10Extra24:感じたことのなかった感情双蛇党からの依頼でとある洞窟にやって来たアリスとヘリオ。元々帝国側に雇われていた、奪略行為を行う傭兵集団の殲滅という依頼だ。ところどころに大きなフロアがある程のダンジョンで、2人は警戒しながら進んでいく。傭兵たちの話し声が聞こえ始めたところで2人は顔を合わせ頷き、更に警戒をしながら歩いた。傭兵たちが居たフロアは天井部分が開けており、木々は...
2025.03.03 14:47Extra23:いつか「遅いですね〜」「……」「何かあったのかな?」「あの2人なら大丈夫だろう」急にガウラが別行動をすると言い出し、ヴァルを連れて離れた2人。置いていかれたアリスとヘリオは、暫く2人を待っていた。心配し始めたアリスは時々トームストーンでガウラにチャットを送っている。そんな様子を見てヘリオは軽くため息をついた。「…あんたは、顔を見て話せるな?」「...
2023.01.30 00:00Extra22:こうして足は止まったそれは突然やってきた。思うように足が動かない、何かを置いてきた気分。「はぁー……」ため息しか出ない。原因なんて分かるものか。ただ、[旅に疲れた]ことだけは理解できた。これは休んだ方がいい。(家も近いし帰ってもいいんだけど…、何となく気が重いな。ヴァルにもなんか言われるんだろうな…)モヤモヤする。外の景色も街の匂いも、いつもなら楽しめるもの...
2022.09.30 04:00Extra21:エターナルリング「危ない!」その声と同時に頭の横を魔法が通る。黒魔道士のブリザジャは太陽の光に反射した。その眩しさと横切った魔法により目が霞む。(チカチカする)その様子を好機とした黒魔道士はソウルレゾナンスを発動し畳み掛ける。逃げ場を失ったガウラは為す術なく傷を負った。ここはオンサル・ハカイル。終節線の行われる場所、無垢の土地を奪い合い、対人が絶えない場...
2022.08.30 04:30Extra20:過去を知る夜な夜な記録を漁るジシャ。ヴィラの行動により黒き一族が掟の改定を始める中、ジシャは白き一族として行動を始めたのだ。それは始祖であるニアのルーツを知り、最終目的である[術式の解除方法]を見つけることだった。始祖は自分の膨大な力を恐れ、その力の一部に枷をつけ封じることで事を収束させた。だがその術式さえも力は強く、根付いたそれは結果的に後世へ継...
2022.08.26 06:30Extra19:使命に関係なく、共に居たいと思ったから恋愛感情なんて持つことなく人生を終えると思っていた。それは冒険者だからとかそういうものではなく、純粋にそう思って決めつけていた。「あたい…いや、"オレ"は、お前を1人の女性として、恋愛対象として好きなんだ」だから、そう言われた時に「こいつは何を言ってるんだ」と思った。ヴァルは黒き一族で、白き一族であるガウラを護る宿命と使命を持ってここに来...
2022.05.10 07:30Extra18:Oración人には語れぬものがある。それはヴァル自身も体現しているし、意味も分かる。そして余程のことがない限り、踏み込んではいけない領域でもある。ここはダーンバレン農園。双蛇党が家主の遺言に従い保護した農園のひとつである。園芸師ギルドに管理を任せているため、今も変わらず深紅の林檎を実らせているそうだ。農園の一角にはログハウスが建てられており、そこは現...
2022.04.15 08:00Extra17:未来を見据える言葉は重く、静かに響いた何かが近づいてくる、静かでいて、懐かしさを感じる気配。「ジシャ、いるかい?」私が顔を出すより前に、気配の正体が声を発した。家から出てみると、黒き一族のヴィラがいた。彼女は私を護る者。11年も前、私が記録上死んだことにより、役目を終え新たな責に務めていると聞いている。それでも彼女は一族の者として、こうして私を気にかけてくれる。と言っても今日...
2022.02.21 22:30Extra16:猫と過ごす「猫ちゃんの夢」「たっくさんの猫ちゃん!」「ふっかふかのふっわふわで…」「にゃんにゃんっていっぱい鳴いて〜」「あ、皆にも猫ちゃんになってもらおうよ!」「それはいい考えね!」「ほら、ちょうどあそこにニンゲンがいるよ?」「ホントだ!」「「「可愛い猫ちゃんになぁれ!」」」「……はぇ!?」それからの記憶は定かではない。─────『───で、だから...