2021.02.14 06:00Extra4:ヴァレンティオンデー“ナキ参上!おじゃましまーす!……あれ、ガウラどこ?”“こっちだよ!キッチンにいるぞー”“およ”暇を持て余したナキがガウラの家に訪れた。ほんのり甘さと焦げた匂いがする。“…焦げた匂い?”“菓子類はまだ作るの苦手でねぇ。焦げちまったよ”“あちゃー、作ってたのはクッキー?”“そうそう、ヴァレンティオンデーだからね。チョコレートクッキーでも作っ...
2021.02.11 06:00if1:記憶があったならグリダニアの一角にあるベンチに座っている白い女性。その白さ故に最近は‘幽霊ではないか’という噂ができてしまったほどだ。白い服、白い髪に隠れる桃色のメッシュ、時々目を開けて何かを見ているその瞳の色は黄金色で美しい。そんな異様に思わせる女性を周りの人々は魅了されるも声をかけない。女性も気にしていない様子で、白金色の弓を大事に大事に抱えて時を過...
2021.02.08 09:00Main1-4:真実への一歩黒き一族と白き一族。隣接はしつつも大きく踏み込んではいけないのが互いの規則。その中でも黒き一族は暗殺者部族でありながら白き一族を護る使命を抱えている。彼らのことは白き一族には伝わらないはずなのに、それを何故かヘラの母‘ジシャ’は知っている。白き一族とてミコッテの部族であり身動きも楽だ。それ故に知り得たものなのだろう。“儀式とはいえ、供え祈...
2021.02.08 08:00Extra3:諦めないことを選んだ久しぶりに立ち寄ったグリダニアでは、星芒祭の準備が進んでいた。もうそんな時期か…と見て回っているとちょっとした違和感を感じた。“これ、エッグハントのたまご…?”“やっぱりそう思うかい、お姉さん”“えぇ…お爺さんも?”“もちろん。毎年見ているのにすごい違和感を感じたからね。どうもあちらこちらで間違った装飾が見られているらしく、実行委員の皆や...
2021.02.08 07:00Past2:大胆な行動軽くお団子結びをして武器庫へ行く。何だかんだで武器が増えたので整理をしようと思うのだ。といっても石の家の武器庫なので仲間のものもある。使い古した物は溶かすなりして加工すればまた使えるだろう。“ガウラ、ここに居たのか”“おやサンクレッド。今日は早いんじゃないかい?ナンパは失敗したのか?”“誰がするか。整理しているなら要らないものを外に出して...
2021.02.08 06:00Extra2:幻想の姿エーテル体は常に不安定である。それは実体を得ても同じで、目の前にいる彼も対象となる。エーテルが揺らぎ一瞬だけ姿がぼやける。だが私はそれを不思議とは思わず、当然だと感じた。“どうした、姉さん”“いいや、別に”こいつはいつまで隠すつもりなのか、いやそれとも…私がある程度知っていることを気づいて話さないのか。考えだけは謎が多いままだった。——(...
2021.02.08 05:00Main1-3:語るは誇り「ガウラ!」「おや、ナキかい?まだウルダハにいるのは知っていたけど、何だか久しぶりな気がするよ」「ウルダハ、広いからね!ナキとガウラの行動範囲が違ってたのかも」相変わらず、と言った方がいいのか。彼女は楽しそうに話を始めた。ヴィエラとミコッテの混血児、ナキ・デューン。容姿はヴィエラに寄っているが身長はさほど高くない。彼女の言う「白き花」故の...
2021.02.08 04:00Extra1:些細な手土産もし、彼らと分かり合えたら。そう考える日は多くなった。元はひとつの世界だった、だなんて言われると考えてしまう。元の世界での私はどういう人だったのだろうと。アーモロートの住人の姿を見ると区別が全くつかないから、別の見方で誰なのかを判断しているのだろうとも。決戦の時に私を誰かと見間違えたかのような彼のセリフから、私にはきっとできない見分け方な...
2021.02.08 03:00Main1-2:願いの叶う出会い「何お願いごとするのー?」「き、決めてない…ナキちゃんは決めたの?」「ナキは大きくなったら踊り子で有名なひとになりたい、かな!」「ダンス、好きだもんね?」「うん!ヘラも決まったら教えてねー!」バイバイ、と互いに手を振り僕はまた短冊と睨めっこをする。ナキみたいになりたいものがない、ただお母さんと一緒に暮らしていければなんでもいい。─────...
2021.02.08 02:00Past1:記された記録にて一度だけ問うたことがあった。「白い花は枯れないのか」と。彼は答えた。「死を超越すれば可能だろう」と。─────「あれ、ヘラのお母さんは?」「おべんきょうで外に出かけてるよ」「えー!ナキのお母さんが探してたんだけど、いないのね!?」「うん、多分明日にならないと帰ってこないと思う…」「ねーねー、何のおべんきょうしてるの?」「分からない。お母さ...
2021.02.08 01:00Main1-1:両手に林檎を持った冒険者静かな家で両手に林檎を持った女性。懐かしむように目線を向けているのは1枚の絵と使い古した弦楽器用の弓。絵は新しいようで、描かれているのは1人の老婆だった。その絵を見ながら女性は赤く綺麗な林檎を1つ齧る。額縁は存在しないようで、風で飛ばないように四隅には石を文鎮代わりに置かれていた。“じゃぁ、ばっちゃん…私はそろそろ行くよ。教えてくれた戦歌...